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suidosui_txt

suidosuiの小説まとめです (NSFWはここにありません)

輝かせて

卯月コウ誕生日合作2022に参加させていただきました。
参加した動画のテキスト部分です。素敵な企画だったのでぜひ本編もご覧ください!!

本編(ニコニコ動画)

以下動画の最後の日記部分です。
日記
ライブ延期決定の前に作り終えていて、
変更を受けて内容を変更するか悩みましたが、
いつか実現する光景だと信じているのでそのままにしました。
帰りに牛丼食べてその味を語り継ぎたいね。
バーチャルYouTuber にじさんじ
卯月コウ



休日の昼下がりに僕は配信を見ていた。
いつも通りなんてことはない、流行りのゲーム実況。
友達の卯月コウは僕の隣でぬるくなった炭酸を飲みながら笑っていた。
「言葉の選び方に順法意識が表れてるんだよ」
コウは早口で話す配信者の言葉づかいに着目して楽しそうにしている。
「独特のプレイングだよね」
そういえばそうだな、と思いながらなんでもない言葉を僕は返す。
コウといるといつも楽しい。
なんでもないことがコウを通すと不思議な見え方をする。
どれもに同意するわけじゃないけど、自分と違う意見を聞くことって面白い。
「なに笑ってんの」
コウが柔和な目をして言った。
「い、いや、別にさ。楽しいなって、今」
「ははは、のんきだな」
こんな毎日がずっと続いてほしい。
その時どこからか、学校のチャイムが聞こえた。
まばたきをすると、ここはもう僕の部屋じゃなくて、どこか見覚えのある教室だった。
「あー、そろそろ戻らないと」
制服を着たコウが残念そうに言う。
肩に指定のカバンを下げて、肩も背丈も少し小さく見えた。
「……僕も」
「お前はそっちだろ」
コウは教室から出ていって、僕は目の前が真っ暗になって、身体が冷たくなった。
一瞬の静寂を破ったのは、眩しい黄色の光。
黄色のペンライトで染まる会場は、割れんばかりの拍手で満ちていた。
ステージには今にもコウが登場しそうだ。
ペンライトを握っている手が自然と震える。
僕は照らす側だ。
あの時チケットを買ったんだった。
だからここにいる。
チケットを買わないと、コウに会えないんだった。
僕の目の前に現れた金色の髪に王冠を載せた少年は、何よりも輝いていた。
照らしてくれたのはコウだ。

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